歯ならびとかみ合わせの改善はQOL(生活の質)向上につながります。
矯正治療を開始するのは何歳でも遅いということはありません。
POINT 01
笑顔からこぼれる健康的なきれいな歯は、とても印象が良いものです。矯正治療で歯ならびが改善すると、口元を気にすることなく笑い、話すことができるようになり、気持ちが明るくポジティブになります。
POINT 02
POINT 03
全ての医療には限界があります。
大人は顎の骨の成長がないので、骨の中に歯を無理なく並べるためには抜歯が必要になることがあります。
骨がやせてしまった部分に歯を動かすことはできません。
大人の矯正は子どもの矯正に比べると、装置に慣れるのに時間がかかる、痛みを感じやすい、後戻りしやすいなどのデメリットがあります。
骨格の不調和が強い場合は外科手術を併用した矯正治療をご提案することがあります。その場合は大学病院をご紹介いたします。
01
歯に関する悩みや治療についての疑問、不安、要望などをお聞きします。おおよその治療期間や費用、使用する装置、治療のメリット、デメリットなどをお伝えします。無理に治療をすすめることはありません。
02
治療計画を立てるための資料として、頭部X線規格写真・口全体のX線写真(パノラマ)・口腔内写真・顔面写真の撮影、歯型のスキャン、顎関節、顎運動、舌などの診査を行います。必要に応じてCT撮影も行います。
03
精密検査の結果をもとに、治療計画と費用について詳しくご説明します。内容にご納得いただけましたら、治療同意書にサインをいただきます。
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お口の状態によって、歯のクリーニングや歯みがき指導を行います。虫歯や歯周病がある場合は、矯正治療前に一般歯科で治療を済ませてください。事前に抜歯が必要な場合も、このタイミングで行います。かかりつけの歯科がない場合は近隣の歯科医院をご紹介いたします。
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矯正装置を装着し、いよいよ治療スタートです。通院毎に装置の調節を行いながら、ゆっくりと歯を動かしていきます。
通院頻度 1〜2か月毎
期間 1〜3年程度
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歯の移動が終了したら、矯正装置を外しリテーナー(保定装置)の使用を開始します。リテーナーはきれいに並んだ歯を、その位置で安定させるための装置です。保定期間中は3〜6か月に1回のペースで通院し、問題がないか経過観察します。保定期間は最低2年です。
01
100年以上の歴史があり、ほとんどの症例に対応できる治療方法です。
歯の表面に歯科用接着剤でブラケット(矯正器具)を取り付け、その溝にアーチワイヤーを組み込むことで、歯を3次元的に移動させていきます。
当院では上下とも前歯には透明のブラケットを使用します。
ワイヤーは金属製ですが、色が目立たないワイヤーを選んでいただくことも可能です。
治療中の通院は1か月ごと、治療期間は1〜3年程度です。
対応できる症例が多い
歯が確実に動く
比較的治療期間が短い
装置が見える
歯みがきがしづらい
唇や頬の内側に違和感がある
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フルリンガル
ハーフリンガル(下は表側)
歯の裏側にブラケットとアーチワイヤーを取り付けて歯を動かす装置です。
歯の裏面に歯科用接着剤でブラケット(矯正器具)を取り付け、その溝にアーチワイヤーを組み込むことで、歯を3次元的に移動させていきます。
治療中の通院は1か月ごと、治療期間は1〜3年程度です。
装置が見えない
舌に違和感がある
発音しづらい
歯みがきがしづらい
装置代が高い
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数十枚の透明の薄いプラスチック製のマウスピースを順番に装着して、正しい位置に歯を動かしていきます。
マウスピースは口腔内のスキャンデータからシミュレーションした歯の動きを再現できるように製作します。
人気のある治療ですが、マウスピースを1日20時間以上装着し、1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換していく必要があるので、しっかり自己管理ができる方におすすめします。
順調に歯が動いていれば通院は2か月ごと、治療期間は1〜3年程度です。
当院ではマウスピース型カスタムメイド矯正装置「インビザライン」を採用しています。
目立ちにくい
歯みがきや食事の時に取り外せる
金属アレルギーの心配がない
通院回数が少ない
装着時間が足りないと効果が得られない
シミュレーション通りに歯が動かないことがある
歯を大きく動かすのに不向き
インビザラインは医薬品医療機器等法(薬機法)において承認されていない海外製の医療機器となりますので、医療法と厚生労働省の医療広告ガイドラインに従い、以下に注意点を記載します。
薬機法とは、正式名称を「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」といい、医薬品、医療機器などの品質・有効性および安全性の確保や、製造・表示・販売・流通・広告などについて細かく定めた法律です。
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一部の歯だけに装置をつけて歯ならびを改善します。
動かす歯が少ないので期間や費用を抑えることができます。
奥歯のかみ合わせが原因で歯ならびが悪くなっている場合は部分矯正で改善できません。
歯のかぶせ物、インプラント、入れ歯などの治療の前処置として、1〜2本の歯を動かす部分矯正にも対応しています(かかりつけの歯科医院と連携して行います)。
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直径約1.5mm、長さ6〜10mm程度の小さなネジを歯槽骨(歯の周りの骨)や口蓋(口の天井の硬い部分)に埋め込み、ネジを固定源にして歯を引っ張ることで、効率よく歯を移動させます。
アンカースクリューにより、従来難しかった歯の遠心移動(歯を後ろに動かす)や圧下(歯を沈み込ませる)なども可能になりました。
ネジを入れる処置は10分程度、歯ぐきにネジが入っていても痛みはありません。
かみ合わせを緊密にするために、自分で上下の歯の間にかける小さな輪ゴムです。
矯正で歯を動かすためには歯に持続的な力をかけることが大切です。担当医から指示があった場合、食事と歯磨きの時以外はゴムをかけるようにしましょう。
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移動させた歯をその位置に保つために使用する装置です。
当院では基本的に「プレートタイプの取り外せるリテーナー」と「前歯の裏に接着する固定式のリテーナー」をセットで使います。
見えにくいリテーナーをご希望の場合は、プレートタイプのリテーナーの代わりに透明のマウスピースタイプのリテーナーをお作りします。
矯正装置を外した直後は、歯を支える歯周組織(歯肉・歯根膜・歯槽骨)が新しい歯の位置に適応していないため、歯が非常に後戻りしやすい状態です。半年〜1年程度は食事と歯みがきの時以外、プレートタイプのリテーナーを一日中装着してください。歯の状態を見ながら装着時間を少しずつ短くしていきますが、歯は一生動く可能性がありますので、できるたけ就寝時の装着は継続してください。
矯正歯科治療に伴い、以下のようなリスクや副作用が生じる可能性があります。
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矯正装置を付けた後しばらくは違和感、不快感、痛みなどが生じることがあります。一般的には1週間程度で慣れてきます。
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歯の表面に装置をつけるので、正しく歯みがきできないと汚れがたまりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。また、歯が動くことにより、今まで隠れていた虫歯が見つかることがあります。
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歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや、歯肉がやせて下がることがあります。
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ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
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ごくまれに歯を動かすことで歯の神経が障害を受けて壊死することがあります。
06
矯正装置などにより金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
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治療中に顎関節の痛み、口を開け閉めすると顎関節で音が鳴る、口が開けにくいなどの症状が生じることがあります。
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歯の形の修正や咬み合わせの微調整を行うことがあります。
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矯正装置を誤飲することがあります。
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矯正装置を外す際に、歯の表面に微小な亀裂が入ったり、かぶせ物(補綴物)が破損したりすることがあります。
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矯正治療後の新たな咬み合わせに合わせて、かぶせ物(補綴物)や虫歯の治療(修復物)のやりなおしが必要になることがあります。
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矯正治療後に保定装置を適切に使用しない場合、歯ならびとかみ合わせは後戻りします。
13
矯正治療後も、顎の成長発育、加齢、歯周病、親知らずの影響で歯ならびやかみ合せが変化することがあります。
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矯正歯科治療は一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。